今回は名古屋にリニューアルオープンしたドリアデ名古屋ショールームをご紹介いたします。イタリアモダン家具の代表的なメーカーであるドリアデをご存じでしょうか。一度見たら忘れられない作品ばかりのドリアデをご紹介いたします。
ドリアデは1968年にミラノ南東部の都市ピアチェンツァで設立されました。ミラノ国際家具見本市で「モダン」の意味を追求した個性的なライフスタイルを提案し、イタリアの知的アヴァンギャルドとしてセンセーショナルなデビューを果たし高い評価を得ました。1900年代後半にポストモダンが台頭する中でも、ドリアデは常に「モダン」の意味を問い続け、独自のスタンスを貫いてきました。
ドリアデの最大の特徴は、世界的に著名なデザイナーや新進気鋭のデザイナー、クリエイターたちを起用することで、世の中を驚かせるような作品を作り続けてきました。通常のメーカーは、メーカーブランドに沿ったデザインをデザイナーに依頼したり、開発することが多いです。ですがドリアデは、メーカー主体ではなくデザイナー主体で作品が作られるため、それぞれのデザイナーのセンスをそのまま作品として発表しています。デザイナーごとの個性が作品に際立っているため、他のイタリアメーカーや海外メーカーとは一線を画した作品が非常に多いです。「アヴァンギャルド」前衛、先駆け、革新的を意味するこの言葉は、ドリアデの家具が「商品」ではなく一つの芸術「作品」と呼ぶにふさわしいことを表現しています。こうして、イタリアが誇るアヴァンギャルドデザインの最高峰として世界中から高い評価を得続けています。
商品内容は、主力となるチェア類、ダイニングテーブルとリビングテーブル、パーソナルチェアとソファ類、プラスチック素材でできたアウトドア商品があります。また、キャンドルホルダーやライトなどお部屋を彩る小物類も、様々なデザイナーによって作られたとても個性的な作品が多数あります。中には、日本人デザイナーによってデザインされた作品もあります。
それでは、それぞれの商品をピックアップしたデザイナーとともに紹介いたします。
Philippe Starck/フィリップ・スタルク
こちらのチェアはロングセラー商品「costes」です。湾曲した曲線が美しいフォルムのウッドフレームとレザークッションのアクセントがとても印象的なチェアです。そして何より特徴的なのはこの3本脚です。このチェアは元々商品名と同名のパリのカフェのためにデザインされ、ウェイトレスが脚をひっかけないように後ろ脚が1本にデザインされました。シンプルながら洗練された絶対的なデザインは、普遍的なデザインとして時代を超えて愛されています。
この「costes」をデザインしたのがフィリップ・スタルクです。フランスのミッテラン大統領の依頼で大統領公邸の内装を手掛けたことで世界的にも名が知れ渡り、日本ではアサヒビールのスーパードライホールのビルと特徴的なオブジェを設計したことでも知られています。斬新で独創的な表現は見るものに驚きと強烈な印象を与え、ポップさと親しみやすさ、機能性とユーモアを併せ持つ現代随一のプロダクトデザイナーです。
「lou eat」は脚まで全体が革で覆われたチェアで、空間の主役として存在感を放ちます。デザイン性ももちろんですが、曲線部でもシワなく革が張れる技術は、イタリアの革の技術の高さを表しています。国産ではなかなか見られない革張りチェアになっています。
Fabio Novembre/ファビオ・ノヴェンブレ
次はこちらのデザイナーを紹介いたします。ファビオ・ノヴェンブレです。彼はイタリア・レッチェに生まれ、2001年からドリアデに作品を提供しています。エキセントリックなデザインで常に世の中にインパクトを与え、注目を集めるイタリアデザイン界の風雲児として名をはせています。
そんな彼の作品がこちらのチェア「nemo」です。一目見ただけで忘れられないこのチェアは、ミラノデザインウィーク2010で発表をし、強烈なインパクトを与えました。仮面をモチーフとしていて、「nemo」は「誰のものでもない」という意味を持っています。ノヴェンブレは家具デザインを通じて強烈で魅力的な物語を作りますが、しばしば人間像を用いて、抽象的で普遍的な存在、そしてギリシャ美術のような神話的な美しさを表現します。「nemo」はまさしく仮面をつけた表の姿と、仮面に隠された裏の姿を表現しています。
このチェアはポリエチレンでできているため、屋外での仕様も可能となっています。色は約100色から選ぶことができ、回転タイプもあります。座ると頭まで包まれる個室感があり、一人の時間を過ごすのにもピッタリです。
Ludovica+Roberto Palomba/ルドヴィカ&ロベルト・パロンバ
続いては、ソファとパーソナルチェア、リビングテーブルが並ぶこの写真。これらはすべてルドヴィカ&ロベルト・パロンバによる作品です。パロンバは夫婦のデザインデュオで、世界の有力ブランドと数々のコラボレーションを行ってきました。また、世界で称賛されるハイレベルの賞を多数受賞してきました。そのクオリティの高さは群を抜いており、伝統的なデザインをルーツとしつつも現代的な感覚を見事なまでに調和させていくデザインセンスは高い評価を得ています。
このソファは「fenix」といい、細長いメタルフレームが床からの浮遊感を演出するモジュールソファです。ベース部分のメタル部と張地のデザインがアクセントにもなっています。また、「fenix」のコーナータイプは直角ではなく、半島をイメージして斜めになっていることも特徴です。
こちらのソファは「river」です。ふっくらと柔らかな曲線が特徴的です。また、一般的なソファは内から外に張地が張られますが、「river」は外から内に張られています。パットが入ったエッジ部分と合わさって、汎用性とデザイン性に富んだソファとなっています。
他にも、フレームとクッションのアクセントが特徴的な1Pチェア「moon」は、心地よく包み込まれる座り心地で、とても居心地がよいチェアになっています。パロンバの作品はソファ、1Pチェアがメインですが、デザイン性に実用性を兼ね備えた作品が多く、家具としての使い心地もよい作品となっています。
その他のドリアデ作品
ご紹介した3組のデザイナー以外のオススメ作品をご紹介します。
「meridiana」はシート部は白、黒、クリア、スモーキーグレーの中から選ぶことができ、レザー仕様も可能です。「日時計」という意味をもつ「meridiana」は、クリア素材の場合、チェアのデザインが光に当たることで様々な表情を見せてくれます。
「francois」はテーブル脚が特徴のダイニングテーブルで、まるで天板が宙に浮いているようなデザインになっています。天板もオーク材、大理石、ガラスから選ぶことができ、色のバリエーションも含めると50以上の種類からお選びいただけます。
「mt3」はロッキングチェアとなっていて、こちらもポリエチレン素材なので外でも使うことができます。デザイナーのロン・アラッドは、世界最古の権威あるデザイン賞「コンパッソ・ドーロ賞」をこの作品で受賞しています。
あとがき
他にも様々なデザイナーの作品があります。どの作品もデザイナーの個性と作品に対する意味が込められています。国産メーカーはもちろんのこと、海外メーカーでもなかなか見られない作品がドリアデの特徴です。
そして、見た目の個性だけでなく、家具としての使い心地も一級品です。私も実際に見るまではデザイン性のみだと正直思っていましたが、実際に触れてみるとそんな心配は全くなくなります。ソファもそれぞれ座り心地が違っていたり、ポリエチレン素材のチェアもしっかりと丸みがあるので座った時の硬さは感じません。芸術作品としてのデザイン性と、家具としての使い心地を兼ね備えたドリアデの家具たちは、使う人の日常に刺激と豊かさを与えてくれるでしょう。
弊社ではドリアデの商品を特別価格で販売をしております。気になる商品やドリアデ名古屋ショールームへの来場希望など、お気軽にお問い合わせください。関東、その他遠方地の方もご相談ください。